海外へ荷物を送る時には、大きく分けて2種類の方法があります。
①航空機を使った航空輸送
②船を使った海上輸送
それぞれの輸送方法にはメリット・デメリットがあり、海外への輸送には、クーリエ・フォワーダーの代行業者に依頼するのが通常の流れとなります。
クーリエとは
クーリエとは、海外に荷物を届ける国際宅配便の業者です。ヤマト急便・佐川急便の海外版をイメージしていただけると分かりやすいと思います。
輸送の依頼は、インターネットからの申込みで簡単にできますので手間はかかりません。インターネットで申込みする時のフォーマットに発送元、宛先、商品、物量などを登録して申込みすると、自動でINVOICEなどの輸入書類が作成され、そのまま荷物を引き取りに来られて受取人の手元に届きます。
クーリエの業者に輸送を依頼すると、通関手続きや荷物の集荷から送り先までの配達を全て自社だけでおこないます。このような一貫したサービスを貿易業界では「ドア・ツー・ドア」と呼んでいます。
代表的な業者は、FedEx、DHL、UPSがあります。その他に、OCS、TNT、スコアジャパンなどの業者があります。 また、FedEx(フェデックス)はアメリカ方面で強いなど、地域によって特徴があります。
フォワーダーとは
①航空機を使った航空輸送
②船を使った海上輸送
フォワーダーとは、海外に荷物を届ける国際輸送を取扱う業者です。フォワーダーは、発送人や受取人の要望を聞き、船や航空機を利用して輸送します。クーリエ業者が対応できないような地域や特殊な貨物の輸送も対応してくれます。貿易業界では、船のことを“SHIP”、航空機のことを“AIR”と呼びます。
フォワーダーは、船会社・航空会社・トラック会社と協力して、航空機や船の貨物スペースの確保(ブッキング)、通関手続き、トラックの手配を請け負い、荷物を目的地まで輸送します。
また、フォワーダーでは、納期が間に合わないから通関を早めてほしい、受取場所や時間を変更したい、保管場所が確保できるまで納入を止めてほしいなど、輸送トラブルが起きたときに臨機応変に対応してくれます。
クーリエとフォワーダーを区別すると、物量が少なければクーリエ、物量が多ければフォワーダー業者に輸送を依頼するという感じで使い分ける事が多いです。
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クーリエ・フォワーダーの比較一覧
船を使った海上輸送
船便であれば、輸送に時間がかかります。差出人や受取人の住所によって異なりますが、日本~アジアは7~10日、日本~ヨーロッパやアメリカは9~15日程で荷物が届きます。
中国の主要都市から日本へ送るような場合は、8日後くらいに到着します。
飛行機を使った航空輸送
航空便であれば、輸送に時間がかからないので届くのが早いです。クーリエは航空輸送になります。差出人や受取人の住所によって異なりますが、日本~アジアは1~3日、日本~ヨーロッパやアメリカは2~4日程で荷物が届きます。
中国の主要都市から日本へ送るような場合は、翌日か2日後に到着します。
航空輸送と海上輸送のコスト
コストについては、物量によって大きな差がでます。物量が少ないと航空輸送が安い、物量が多いと海上輸送が断然安いです。
物量が少ない・大きいといった差ですが、フォワーダーの料金にもよりますが、45cm立法の段ボール 50箱を超えてくると一般的には海上輸送の方がコストは安くなります。
クーリエとフォーワーダーの違い
クーリエの特徴
クーリエの特徴として、田舎の方など対応できないエリアがあったり、食品や電池が入っている商品などが輸送できないなどの制限があります。また、緊急事態が起こったときの個別対応はできません。
クーリエの輸送方法は、飛行機を使った航空輸送になります。クーリエは小額で小口の荷物であれば、正式な通関手続きとは異なる簡易通関(マニフェスト通関)ができるため、これにより輸送のスピードを大幅に短縮し、かつ、安価で輸送できます。
簡易通関(マニフェスト通関)は国によって異なり、クーリエでは国ごとで特別に料金や数量が設定されております。 中国は特殊で、DHLやFedEx(フェデックス)では、5,000元 約100kg以内であれば簡易通関しています。
クーリエの料金は、物量が少なくても多くても基本的には高額です。しかし、取引実績を増やし業者交渉していくことで、契約料金はびっくりするくらい値下がりします。
フォワーダーの特徴
フォワーダーの輸送方法は、飛行機を使った航空輸送、船を使った海上輸送があります。また、クーリエ業者が対応できないような地域や特殊な貨物の輸送も対応してくれます。
フォワーダーは、船会社・航空会社・トラック会社と協力して荷物を目的地まで輸送するため、輸送の依頼・輸入書類を作成・提出する必要があります。クーリエと比較すると書類の作成・提出など少し手間がかかります。
フォワーダーの料金は、物量が多ければ安い・物量が少なければ高くなるのが一般的で、クーリエの料金体系と逆になります。フォワーダーの料金は、取引実績を増やし業者交渉していくことで契約料金は値下がりしますが、はじめての取引からでも比較的、良心的な価格設定が多いです。
クーリエとフォーワーダーの使い分け
クーリエとフォーワーダーの使い分けですが、クーリエ・フォワーダー業者との契約料金によりますが、物量ごとに比較します。
45cm立方の段ボール10箱以内
これくらいの小口輸送であれば、クーリエの輸送です。
45cm立方の段ボール11~30箱
クーリエ or フォワーダー(航空)の輸送で、コストと納期を比較して輸送します。契約料金によっては、クーリエよりもフォワーダーに依頼した方が安くなります。
45cm立方の段ボール31~50箱
これくらいの輸送であれば、クーリエ or フォワーダー(航空) or フォワーダー(船)の輸送で、コストと納期を比較して輸送します。これくらいの物量が微妙なラインになりますので、どの輸送方法を選択するか考えていく必要があります。
45cm立方の段ボール51箱~
これくらいの輸送であれば、クーリエよりもフォワーダーの方が安くなります。あとはコストと納期を比較して、フォワーダーの航空輸送か海上輸送を選択するといった感じで使い分けます。