その数字、本当に実態と合っていますか?

決算書や試算表に数字は出ている。
しかし、その数字は本当に会社の実態と合っているでしょうか。
売掛金は本当に回収できるのか。在庫は本当に価値があるのか。
経営判断は、「正しい数字」があって初めて成立します。
中小企業の財務支援を行っていると、
「数字はあるが、実態と合っていない」というケースに出会うことがあります。
会計ソフト上では売掛金が残っている。
在庫金額も計上されている。
試算表も毎月出ている。
しかし、よく確認してみると、
長期未回収の売掛金や、実際には売れない在庫が含まれていることがあります。
この記事で解説すること
- 数字と実態がズレる理由
- 売掛金管理で起こりやすい問題
- 在庫金額が実態と合わない危険性
- 数字の信頼性が経営判断に与える影響
- 財務戦略に必要な実態把握の考え方
数字があることと、正しいことは違う
試算表や決算書に数字が載っていると、
その数字が正しい前提で経営判断してしまいがちです。
しかし、会計上の数字と会社の実態がズレていることは珍しくありません。
例えば、売掛金が500万円あると表示されていても、
その中に回収が難しい金額が含まれていれば、
実際に使えるお金とは考えられません。
在庫が1,000万円あると表示されていても、
売れない在庫や古い在庫が多ければ、
その金額をそのまま価値として見るのは危険です。
経営判断で重要なのは、
「会計上の数字」だけではなく、
「実態と合った数字」です。
売掛金で起こりやすい問題
売掛金は、会社の資金繰りに大きく影響します。
売上が立っていても、入金されなければお金は増えません。
売掛金の中で特に注意したいのが、長期未回収の売掛金です。
何ヶ月も入金されていない売掛金が残っている場合、
回収可能性を確認する必要があります。
帳簿上は資産として残っていても、
実際には回収が難しい場合、
会社の実態を正しく表していない可能性があります。
注意したい売掛金
- 長期間入金されていない売掛金
- 回収予定日が曖昧な売掛金
- 請求漏れや入金消込漏れの可能性があるもの
- 取引先との認識がズレている売掛金
- 実質的に回収不能になっているもの
売掛金の管理が曖昧なままだと、
利益は出ているように見えても、
実際の資金繰りは苦しくなることがあります。
在庫金額が実態と合わない危険性
在庫も、数字と実態がズレやすい項目です。
会計上、在庫は資産として扱われます。
しかし、すべての在庫が同じ価値を持っているわけではありません。
在庫が多い会社では、
「お金が商品に変わったまま戻ってこない」状態になりやすくなります。
特に、売れ残りや不良在庫が増えると、
帳簿上は資産でも、実際には資金繰りを圧迫する原因になります。
確認したい在庫
- 長期間動いていない在庫
- 販売予定がない在庫
- 実際の数量と帳簿数量が合わない在庫
- 値引きしないと売れない在庫
- 廃棄や評価減が必要な在庫
在庫金額が実態より大きく見えていると、
利益や財務状態を過大に見てしまう危険があります。
数字と実態がズレると経営判断を誤る
数字と実態がズレている状態で経営判断をすると、
判断ミスが起こりやすくなります。
例えば、
- 利益があると思って投資してしまう
- 資金余力があると判断して採用してしまう
- 回収できない売掛金を前提に資金繰りを組んでしまう
- 売れない在庫を資産として見てしまう
- 銀行に実態と違う説明をしてしまう
このような状態では、経営判断の精度が下がります。
財務戦略を立てるためには、
まず数字の信頼性を確認することが重要です。
銀行対応でも数字の信頼性は重要
銀行は、決算書や試算表の数字を見ます。
しかし、数字の中身に違和感がある場合、
その会社の管理体制に不安を持たれることがあります。
例えば、売掛金や在庫が大きく増えているのに、
理由を説明できない場合は注意が必要です。
銀行から見られやすいポイント
- 売掛金が増えた理由
- 在庫が増えた理由
- 回収不能や不良在庫の有無
- 月次管理ができているか
- 社長が数字の中身を説明できるか
銀行対応では、数字そのものだけでなく、
「その数字を説明できるか」も重要です。
必要なのは月次での実態確認
数字と実態のズレを防ぐためには、
月次での確認が重要です。
決算時だけ確認するのではなく、
毎月の管理の中で、売掛金や在庫の状況を確認しておく必要があります。
月次で確認したいこと
- 売掛金の回収状況
- 長期滞留債権の有無
- 在庫数量と帳簿数量のズレ
- 不良在庫や長期在庫の有無
- 資金繰りへの影響
こうした確認を続けることで、
数字の信頼性が高まり、経営判断の精度も上がります。
外部CFOが見るべきポイント
外部CFOの役割は、単に試算表を見ることではありません。
数字が実態と合っているかを確認し、
経営判断に使える状態へ整理することが重要です。
- 売掛金の回収可能性
- 在庫の実態
- 利益の正確性
- 資金繰りへの影響
- 銀行説明に耐えられる数字か
- 財務戦略に使える数字か
数字を整えることは、
単なる経理改善ではありません。
経営判断の土台を整えることです。
まとめ
売掛金や在庫金額は、試算表や決算書に表示されているだけでは不十分です。
重要なのは、その数字が実態と合っているかどうかです。
数字と実態がズレていると、
利益、資金繰り、銀行対応、投資判断、財務戦略のすべてに影響します。
経営判断は、正しい数字があって初めて成立します。
だからこそ、売掛金や在庫の実態確認を行い、
数字を経営判断に使える状態へ整えることが重要です。




